銀行預金と投資信託って、じつは仕組みが一緒なのをご存知ですか。
「どういうことだろう」と疑問に思われる方も、少なくないかもしれません。
長期投資という選択肢ができる場合には、「 複利 」の力を借りることが、資産を積み上げる上で効率的な方法です。
本記事を読むことで「 複利 」の仕組みについて理解でき、数字(〇〇)の法則に基づいて資産運用の計画が立てられるようになります。
2024年から始まる新しいNISAに向けて、ぜひ理解を深めておきましょう。
そもそも「 複利 」とは
複利 とは、利息や分配金を元本に加えて再投資して、その合計金額に対して利息が付くことを言います。
具体的には、「当初の元本」に利益や分配金が発生したとき、その利益を「当初の元本」に再び投資して、新たな利益を得るという方法のことです。
以下で、詳しく見ていきます。
「 複利 」と「単利」の2種類がある
利息を考えるうえで、「 複利 」と「 単利 」の2種類があります。
- 複利 →運用で得た利益を元本に再投資して、合計額をもとに利益を得る方法
- 単利 →「当初の元本」の金額のまま運用して収益を上げる方法
両者の違いとしては、複利 は利益がさらに新たな利益を生む雪だるま式となり、一方の単利は預けている元本のみに利息がつくのが大きく異なる点です。
例えば、年に3%の利回りで100万円を元本(元手)に10年間運用した場合のシミュレーション
単利の場合には、1年後(100万円×5%)には105万円になり、5年後には150万円となります。
同じ条件で複利の場合は、1年後には同じ105万円ですが、5年後には約163万円となり、このことから 複利 のほうが単利よりも増えることが伺えました。
ちなみに、現在の日本は超低金利が続いているためあまり増えている実感が湧かないかもしれませんが、じつは、銀行預金も 複利 の金融商品となります。
銀行預金や投資信託のように「当初の元本」に対して利息がつく 複利運用 を知っておきましょう。
「 複利運用 」は長期投資と相性が良い
複利運用 は時間が1番の味方となってくれるため、長期投資と相性が良いです。
一般的に、つみたて投資の運用ではドルコスト平均法とよばれる手法が使われます。
ドルコスト平均法とは、金融商品を購入する際に資産を一定(均等)額に分散して、定期的に投資を行なう方法のことです。
この手法は、価格が常に変動している金融商品の価格が高いときには購入する量を少なく、反対に価格が下落したときには量を多く買うこととなります。
こちらは、毎年1万円を1年間つみたてした場合におけるドルコスト平均法の仕組みについて表している図です。
今回のように、1月時点の単価が1口10円だった場合、毎月のつみたて額1万円で(10,000÷10円)1,000口購入できます。
1年の中で最も低くなった9月時点の1口あたりの価格は2円ですので、同じ1万円でも(10,000÷2円)5,000株購入することができます。
仮に、12月末に投資を止めたとしても5円(12月時点の1口あたりの価格)×27,123口(1年間で購入できた購入個数)=135,615円です。
1年間で投資した金額は12万円(毎月1万円×12ヶ月)ですので、15,615円(135,615円―120,000円)の利益となります。
つまり、毎月一定した額を購入することによって、価格の変動リスクを最小限に抑えた投資が可能となるのです。
本来、投資と聞くと金融商品を購入する際には一括投資をイメージするかもしれませんが、つみたて投資のように一定の金額を定期的に購入することによって、時間が分散されることから価格の値下がり時は(量をたくさん購入できるため)チャンスに変わります。
したがって、長期投資においては時間を分散して「 複利効果 」を得られることから、早く始めたほうが有利だと言えるでしょう。
運用する目的を決めておく
運用する目的を決めておくことで、途中で止めにくくなるのがメリットです。
人によって運用する目的はさまざまかと思いますが、いくつか例を挙げてみます。
- 教育資金の準備
- 老後への備え
- 将来の遊興費
こんな形で、ざっくりでも構いません。
もちろん、「こうなれば理想だな」といった願望でもいいですので、まずは運用する目的をご自身の中に持っておくことが望ましいです。
例えば、子どもが産まれて大学資金の入学費用を投資の目的として考えると、約18年の期間がありますよね。
前回のおさらいですが、つみたて投資が倍になる126の法則を参考にすると、年利7%で運用することができれば(126÷7%)18年で元本が倍になります。
年利7%で運用できるかどうかは仮定でのお話ですが、こういった法則を使いながら逆算して考えられるのも大きなメリットです。
また、目標を達成するまでの期間が長くとれれば取れるほど、長期でのつみたて投資では 複利 効果が働きますので、損失リスクを下げてゆっくり資産を増やすことが可能となります。
まとめ
複利 の原則を知っておくことで、長期投資という選択肢を持つこともできるようになります。
「守りながら資産を増やす」のは簡単ではありませんが、長期投資では時間を味方につけることできれば、その実現性は高まるはずです。
だだ、長期投資とは頭で分かっていても途中で継続しにくくなる瞬間も出てくるはずです。
そんな時のためにも、ぜひ信頼のおけるファイナンシャルプランナーを、見つけておきましょう。
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