12月(師走)に入りました。今年も残すところあとわずかですが、この時期になると地域によっては雪が積もることも。
これからの季節、生活に欠かせない必需品とも言えるのが暖房器具ですが、気になるのが「電気代事情」ですよね。
最近は以前と比べて随分と電気代が高騰していますが、そもそも電気代ってどうやって計算されるのか気になる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、ご家庭にある電化製品の 消費電力 から電気代を計算する方法について解説します。
自分で電気代を計算できるようになって、実生活で上手に節電してみましょう。
電気代は誰でも簡単に計算できる
「電気代 の計算って難しそう‥」
ほとんどの方がこのように思っているかもしれませんが、じつは誰でも簡単に計算が可能です。
この章では、2つの例を参考に電気代を計算する方法について詳しく見ていきます。
一般的な電気代の計算式
電気代の計算法は、① 消費電力 ×②電力量単価=1時間あたりの電気代を求めることができます。
①の消費電力とは、電化製品を動かすのに必要な電力パワーのことです。
単位はW(ワット)で表されますが、消費電力は1000W(ワット)で1KW(キロワット)となります。
基本的に、電化製品は 消費電力 の表示が義務となっているため、ご家庭にある家電製品の側面や裏側などに直接あるいはシールなどで記載されているかと思います。
続いて②の電力量単価とは、電力の使用量に応じて計算される電量料金のことです。
この電力量単価は、一般家庭においては料金が3段階料金制度となっているのが特徴で、契約中の電力会社や加入プランによっても異なりますが、通常の3段階料金制度は電気を使えば使うほど(1段階目より3段階目のほうが)単価料金が高くなる仕組みとなっています。
全国家庭電気製品公正取引協議会によると、2023年11月現在の新電力料金の目安単価は「1kWhあたり31円(税込)」です。
つまり、1kWhあたり31円で電気代を計算すると、実状に近い形で月々の電気代が計算できます。
消費電力から簡単に電気代を計算する方法
電気代は、消費電力に0.03円(電力量単価)をかけて計算すると1時間あたりの概ねの電気代がわかります。
先ほど新電力量料金の目安単価は「1kWhあたり31円(税込)」とお伝えしましたが、電気代を計算しやすいようにあらかじめ1kWhに直すのがポイントです。
31円を1000で割ると0.031円なので、ここでは分かりやすく覚えやすいように0.03という数字を用いて計算してみましょう。
ご家庭にある電化製品での電気代シミュレーション
この章では、ほとんどのご家庭にある電化製品を2つ例に挙げながら、電気代をシミュレーションしています。
エアコンを8時間つけた場合の電気代シミュレーション
まず1つ目は、筆者の自宅にある部屋のエアコンで電気代をシミュレーションしてみます。
- 消費電力(kWh):暖房標準 870W(上記の図の暖房標準で計算)
- 電力単価平均料金 31円/1kwhあたりで計算 (先ほどの0.03円を用いて計算)
- 使用時間(h) 8時間
「エアコンの暖房を8時間付けっぱなしにしたときの電気代」の計算式は、以下のとおりです。
870W×0.03円=約26.1円(1時間あたりの電気代)
26.1×8時間(使用時間:h )=約209円となります。
なお、このエアコン本体の(定格)消費電力は780Wとありますが、よく見ると冷房と暖房で消費する電力量が違うことが分かりました。
冷房時の定格消費電力は770Wですが、一方の暖房時は870Wと暖房を使うときのほうがより多くの電力が必要だとうかがえますが、これは電気を熱エネルギーに換えるときが最も電力を消費するためです。
そのため、1年中を通してエアコンを使用する家庭で、夏場よりも冬場にかけて電気代が高くなるのは、たくさんの電気を熱に変えることが一つの要因だと考えられるでしょう。
冷蔵庫が1日(24時間)にかかる電気代のシミュレーション
続いて、2つ目は冷蔵庫を例に挙げて考えてみます。
一般的に、冷蔵庫の消費電力(ワット数)の目安は1時間あたり30W~60Wと言われていますが、今回はファミリー世帯で使われる冷蔵庫と仮定して30Wでの計算してみました。
「冷蔵庫を1日(24時間)稼働したときの 電気代 」の計算式は、以下のとおりです。
30W×0.03円=0.9円(1時間あたりの電気代)
0.9円×24時間(使用時間:h )=約22円となります。
1ヶ月使用した場合:22円×30日間=約660円
冷蔵庫は、食品衛生上の問題などから基本的に付けっぱなしの状態がほとんどかと思いますが、ご家庭で使用している 消費電力 が分かれば1ヶ月にかかる電気代の大まかな金額が把握できるはずです。
ちなみに、意外と思われるかもしれませんが「冷蔵庫は大きいほうが、電気代が安い」傾向にあります。
冷蔵庫は大きいほうが冷やす範囲が広がりその分電気代が高くなるイメージですが、じつは容積が大きいほうが断熱や温度に合わせた運転(インバーター制御)など、さまざまな省エネ機能が付いているため小さい冷蔵庫に比べて消費電力が少なく済むのです。
なお、ご家庭にある冷蔵庫の正確なワット数を知りたい場合は、冷蔵庫の扉付近あるいは取扱説明書などに記載されているかと思います。
どうしても消費電力の表示が見当たらない場合は、メーカーの公式サイトから商品名(型式)などを検索すると良いでしょう。
家電の購入前には「節電効果計算ツール」の活用を
家電を新しく買い換えるときには、「しんきゅうさん」というサイトの活用をおすすめします。
「省エネ製品買換ナビゲーション:しんきゅうさん」とは環境省が提供しているサービスのことで、電気製品の新旧の型式を選択すると年間で電気代がどれくらい安くなるのかを教えてくれるツールです。
例えば、エアコンは省エネ化が15年ほど前から進んでいますが今のモデルにはAI(人工知能)が搭載されているため、人感センサーを活用した温度の調整やフィルター清掃まですべて自動で行なってくれます。
これまでに家電屋さんなどでスタッフの方から「電気代も安くなりますよ!」と説明を受けた経験が1度はあるかもしれませんが、そんなときに「しんきゅうさん」を活用することで(家にある家電と比較して)どのくらい費用対効果が見込めるのか簡単に分かるのです。
大きな買い物ともいえる家電だからこそ、少しでも自分のライフスタイルに合った製品選びをしましょう。
まとめ
今回は、身近にある家電の 消費電力 から電気代を計算する方法について見てきました。
自分で電気料金を計算できるようになるとイメージがつきやすくなりますので、どこで電気代がかかっているのか把握しやすいです。
なお、エアコンなどはひと昔のものよりも省エネ性能が優れているエアコンに買い換えたほうが、長期的(10年以上)に考えると結果的に電気代が安くなるケースもあります。
ぜひ本記事を参考に、今後の電気代見直しに役立ててもらえると嬉しいです。
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