電気代が高騰している昨今では、使っていないときのムダな電気を減らそうと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
資源エネルギー庁の公表によると、ご家庭における1世帯あたりの消費電力量は年間4,432kWh使用しており、そのうち228kWh以上が 待機電力 ということで、全体の電気代の約5%以上を占めることが分かっています。
しかし、そうは言うものの、どの電化製品がどのくらいの電気代を使っているのか、いまいちピンと来ないというのが正直なところではないでしょうか。
そこで今回は、 身近にある 待機電力 を使う電化製品ワースト5位の発表と、電気代を少しでも節約する方法についてご紹介します。
待機電力 とは
待機電力 とは、電源を切っている状態でもコンセントに繫がっている電化製品が消費する微量の電力がかかっている状態のことを指します。
正式名称は、「待機時消費電力」と呼ばれており、家電メーカのカタログなどに記載されていることも多いです。
電化製品は、使用していないときでもいつでも操作できるようにスタンバイしている時間にも、わずかに電気を消費しています。
さきほど家計全体の5%以上とお伝えしましたが、例えば4人暮らしの方のひと月の電気代が15,000円の場合、そのうち750円以上が待機電力なのです。
以下で詳しく見ていきましょう。
待機電力 ワーストランキング5
待機電力は私たちの生活のあらゆる電化製品にかかっています。
少し古い資料ですが、J:COMが調査によるご家庭にある電化製品の待機電力がかかるものをランキング形式で5つ見ていきましょう。
第5位:DVD・ゲーム機…6%(1.2〜3.4W)
第4位:電話機‥8%(1.1~3.4W)
第3位:エアコン‥8%(2.4W)第2位:テレビ‥10%(0.4~2.9W)
第1位:ガス給湯器(風呂釜含む)‥19%(8.2~11W)
上記の1位~5位までの電化製品がほとんどのご家庭にあるかと思いますが、この5つが全体の待機電力の半分(50%)以上を占めている結果となりました。
つまり、これらの電化製品の待機電力を減らすことができれば、毎月の電気代にかかる負担を減らすことができます。
待機電力を減らす方法
この章では、自宅で簡単にできる 待機電力 を減らす方法についてランキングごとに見ていきます。
使っていないときの電源をこまめに消すことを意識しながら、読み進めてみましょう。
ガス給湯器はリモコンをOFFにしよう
ガス給湯器は、お湯を使わないときにはリモコンをOFFにしておくことで電気代の節約が可能です。
上記のランキングによると、ガス給湯器は第1位で約19%の 待機電力 がかかっています。
一般財団法人省エネルギーセンターの平成24年度における調査結果によると、一般タイプのガス給湯器の 待機電力 は、オンモード時は平均7.97W、オフモードでは平均6.03Wとのことでした。
これを基に、1KWあたりの電気代が31円として計算すると、以下のような計算式となります。
<電源ONのとき> 7.97W÷1,000×24時間×365日×31円=約2,164円
<電源OFFのとき> 6.03W÷1,000×24時間×365日×31円=約1,638円
したがって、1年間でこまめにリモコンを消した場合は、約526円の節約になることが分かりました。
給湯器は、ガス(お湯を出すとき)と電気(水量センサーやガスを燃焼させるためのファンモーター)の両方が必要のため、わずかですが毎月の電気代を安くすることに繫がるのです。
洗い物や家族全員がお風呂に入った後などは、都度リモコンの電源を切るように心掛けてみましょう。
ちなみに、ガス給湯器本体のコンセントを外すと故障の原因にもなるので、くれぐれも本体のコンセントを抜いてはいけません。
基本的にガス給湯器には、凍結予防ヒーターや自動運転など凍結を防止する機能が付いており、冬場などに家を長期間空けるときなども給湯器のコンセントは抜かないことが大切です。
テレビを見ないときはコンセントから消そう
テレビを見ていないときは、リモコンだけでなくコンセント(主電源)を抜くことで 待機電力 を減らせます。
ほとんどの方が、毎回テレビのコンセントの付け差しは面倒に感じ、1年中コンセントを指しっぱなしにしていることも多いかもしれません。
そんなときに便利なアイテムがスイッチボットです。スイッチボットとは、専用のアプリと接続させることでスマホから電源のオンオフが操作できるもので、生活のあらゆる電化製品に使用できます。(ただし、テレビの録画予約をしているときはオフにしないこと)。
スイッチボットの使い方も、コンセントと電化製品の間に設置するだけと簡単で「どのくらいの電力がかかっているのか」も把握できるため、ゲーム感覚で節電できるでしょう。
エアコンも使わない時期にはコンセントを抜いておく
テレビと同様にエアコンを使わない時期は、コンセントを抜いておき待機電力を抑えましょう。
一般的に、エアコンの暖房機能はこたつや石油ストーブ、電気カーペットなど他の暖房機器と比べて電気代が高くなりやすい傾向にあります。
この理由として、電気は熱エネルギーに換えるときに最も電気代がかかるためです。そのため、電気の力で熱を作り暖かい風を送るエアコンの暖房機能は、どうしても(他の暖房器具と比べて)電気代が高くなりやすいのです。そのため冬場は、暖める範囲によって暖房器具を使い分けると良いでしょう。
ちなみに、エアコンのコンセントは高い場所にあることが多いため、スイッチボットを使用してコンセントを切っておくと手間もかからずに節電できます。
トイレは便座シートの活用も
最近のご家庭は、温水洗浄便座機能が付いたトイレも多いかもしれませんが、便座シートを活用するのも一つです。
トイレの温水洗浄便座機能も 待機電力 がかかっています。
とくに冬場にはありがたい機能ですが、それ以外の時期に必要かどうかを見直してみるのもいいでしょう。
節電タップを使う
節電タップを使うことで、家電製品のコンセント(主電源)を抜かなくとも手元のスイッチをOFFにすればコンセントを抜いた状態になるため待機電力の消費を防げます。
待機電力が第5位と消費電力がかかりやすいDVD・ゲーム機なども節電タップで簡単に管理が可能です。
最近では、節電タップ本体にワットチェッカーの機能が搭載されているものもあります。
ワットチェッカーとは、「どのくらい電気を消費しているか」を測定してくれる機能で、各電化製品の消費量が分かる(節約が数字で見える)ことから人気を集めているようです。
節電タップ本体は約1,000円前後が相場ですが、長い目で見れば節約に繫がりますので、まだ使っていない場合はぜひ活用してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
消費電力 の節約法はやや地味に感じた方もいらっしゃるかと思います。
ですが、この地味な節電こそ、「塵も積もれば山となる」のです。
毎月の電気代が安くなるのはもちろんですが、限りある資源である電気の消費量を少しでも減らすためにも、まずはご家庭でできる対策から始めてみませんか。
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